相談事例 こんなご相談があります
「うちの子と同じような状況の子は、どうしているんだろう」。
そんなとき、参考になればと、よくいただくご相談の例をまとめました。
※実際のご相談をもとに当院で作成した例です。個人が特定されないよう配慮しています。
相談事例 最適な医療連携 医療との連携に不安があったご家庭 医療的管理 経管栄養・在宅酸素 年齢 6歳
よりそい—— 最初の状態・悩み
入退院をくり返す日々のなかで、
「相談しても、伝わらない。」
そう感じる経験が重なるうちに、医療との距離は少しずつ広がっていきました。
呼吸の状態は安定せず、このまま続けば気管切開という選択肢を考えなければならない——そう告げられても、ご家族はすぐには受け止めきれずにいました。
何が正しいのか分からないまま、ご自身で調べ、考え、判断してこられました。
ご自宅でのケアも多く、受けられる支援も十分とはいえず、暮らし全体に負担がかかっている状況でした。
ささえ—— まえむがしたこと
まず、ご家族の希望や思いを、ただ受け止めるところから始めました。そのうえで、ご家族がこれまで一人で抱えてこられた膨大な情報や判断を、一緒に整理していきました。
日々そばで見ているご家族の観察や判断を尊重し、そこに医学的な視点を添えていく。そうしたやりとりを、訪問のたびに重ねました。
はじめのうちは毎週訪問して診察を行い、状態が落ち着いてからは月2回の定期診察へ。発熱や状態の変化があったときには緊急往診で速やかに対応し、ご自宅で経過を見られる場面も増えました。
訪問看護やリハビリのご案内でご自宅のケアを整え、これまで通ってこられた病院へは経過をお伝えし、栄養剤の種類や量のすり合わせなど連携を続けています。将来に向けた話し合いも重ね、これから実現したい目標を、ご家族と一緒に決めていきました。
はぐくむ—— これからも、ともに
いま、体調に変化があったとき、ご家族はまえむに連絡をくださいます。
信頼は、一度の訪問で戻るものではありません。それでも、困ったときに相談できる相手がいる——その状態を、これからも守っていきたいと考えています。
医療的ケアのサポートを充実させ、
ご家族の負担を軽くしていくこと。
体調のよいときには学校へ行けること。
ご両親が社会とつながりながら暮らせること。
そうした毎日を、いちばん身近な場所から、医師・看護師・相談員がチームで、一緒に目指していきます。
相談事例 在宅移行 夜間や急変への不安があったご家庭 医療的管理 気管切開・人工呼吸器・胃ろう 年齢 2歳
よりそい—— 最初の状態・悩み
長い入院生活を経て、退院の目途が立ちました。待ち望んだ退院です。
ただ、在宅療養が始まれば、医療的ケアの多くをご家族が担うことになります。病院では看護師がすぐそばにいましたが、これからはご自身で判断する場面が増えます。感染をきっかけに急変するリスクもあり、夜間の対応に不安がありました。
きょうだいのことも気がかりでした。お子さんに付きっきりになるあいだ、上の子にどれだけ向き合えるのか。在宅療養を安定させることが課題となっていました。
ささえ—— まえむがしたこと
退院前のカンファレンスに参加し、入院中の状態やケアの内容を、退院より前に把握しました。おうちに帰ってから初めまして、にならないように。
ご自宅に伺ってからは、その環境に合わせたケアの工夫を、医師と看護師でお伝えしていきました。設備のそろった病院と、暮らしの場では、同じケアでもやり方が変わります。小児の在宅ならではの助言を重ねました。
訪問看護や医療的ケア児コーディネーターなど多職種との連携を強め、連携ツールで情報を常に共有しています。感染や体調の変化があったときには、速やかに初期対応にあたります。ケアの負担が軽くなる補助機器についても、助成の使い方をご提案しました。
はぐくむ—— これからも、ともに
ご自宅での医療的ケアが、ご家族のものになっていくこと。それは一度で身につくものではなく、日々の積み重ねの先にあるものだと考えています。
体調が安定し、通院の回数を少しずつ減らしていけること。医療的ケアのあるお子さんを育てる親として、ご家族なりのかたちを見つけていかれること。そして何より、ご家族の意思や気持ちが尊重される暮らしであること。
そうした毎日を、これからも一緒に目指していきます。
相談事例 成人移行 これから先のことが不安なご家庭 医療的管理 経管栄養・胃ろう 年齢 17歳
よりそい—— 最初の状態・悩み
小児科に通い続けてきたお子さんが、大人になっていきます。その先にどこで医療を受けていくのか、ご家族には道筋が見えていませんでした。
大人の専門医療をどこで受けられるのか。学校や放課後デイに代わる、日中を過ごせる場所はあるのか。小児のあいだ受けられていた助成や制度は、そこで途切れます。体調を崩したとき、すぐに診てもらえる先が決まっておらず、受診先を探して回ることもありました。
ご家族自身のこれからも気がかりでした。いまと同じようにケアを続けられなくなる日が、いつか来る。その不安を抱えていらっしゃいました。
ささえ—— まえむがしたこと
まず、ご家族が何を不安に感じておられるのかを、ひとつずつ確かめるところから始めました。
小児科に通い続けてきた年月のなかで、ご家族が得てこられた医療の知識は、その当時のまま更新されていない部分もありました。いまの状態に合った知識やケアのかたちを、あらためて一緒に確認しています。同じような状況を経験されたご家庭のことも踏まえながら、役に立つ情報をお伝えしています。
一人で抱えてこられた手続きや調整の負担を、少しでも分け合えるように。地域とのつながりをつくり、新しい連携先を探してお繋ぎしました。お母さまがこれまで担っておられた手続きの一部を引き受け、関わる方々のあいだに立って、橋渡しの役割を務めています。
はぐくむ—— これからも、ともに
大人の医療への移行は、まえむが取り組んでいる大きなテーマのひとつです。大人の専門医療の主治医と、暮らしを診る訪問診療の主治医。その両輪の体制を整え、次の担い手へと引き継いでいくことを目指しています。
病院を起点にした医療ではなく、その子とご家族の生活を真ん中に置いた医療へ。大人になっても、暮らしのそばに医療がある。そういう形をつくっていきたいと考えています。
相談事例 通院困難 通院の負担が大きかったご家庭 医療的管理 気管切開・人工呼吸器・胃ろう 年齢 8歳
よりそい—— 最初の状態・悩み
病院での受診は、いつも一日がかりでした。
車いすでの移動、吸引をしながらの車での通院、そして待ち時間。体が大きくなるにつれて、その負担は増していきます。付き添いなしでは通院できず、お仕事との両立で、まとまった時間をつくること自体が難しい状況でした。診察室でじっとしているのが苦手なお子さんにとっても、通院は負担の大きい一日でした。
体調を崩したときほど、その通院がこたえます。いちばんしんどいときに、いちばん大変な移動をしなければならない。そんな状況が続いていました。
ささえ—— まえむがしたこと
ご家族の生活の時間に合わせて、診察に伺うようにしています。通院にかかっていた移動と時間の負担が、そのぶん軽くなります。
体調を崩されたときも、24時間の体制でフォローします。つらいときに、無理に出かけなくてよい。お子さんご自身の体の負担も、通院がつらいという気持ちも、そのぶん軽くなります。
これまで通ってこられた病院への受診は続きます。病院の医師とご家族のあいだの調整は、まえむの医師が担います。専門的な診察が必要なときに、それがスムーズに受けられるように。
はぐくむ—— これからも、ともに
通院の回数を、できるところから減らしていくこと。ご自宅での健康管理を丁寧に続け、体調が安定した日々を目指すこと。
お子さんのことも、ご家族の暮らしのことも、もっと深く知ったうえで、成長に合わせたケアを考えていきたいと思っています。暮らしの環境まで見据えて、そのご家庭に合った支え方を見つけていく。いちばん身近な医療として、これからも伴走していきます。

